高血圧に自覚症状はあるのでしょうか。頭痛などの症状を訴える方も中にはおられるようですが、ほとんどの場合自覚症状もなく進行していき、ある日突然重篤な合併症が現れるのが高血圧の怖いところです。

高血圧と自覚症状

ほとんどの場合、高血圧はこれといった自覚症状もなく進行していく厄介な症状です。

高血圧は現在では国民病とよばれるほど患者数が増えており、目下予備軍を含めその数3000万人とも言われていますが、総理府が平成12年に実施した生活習慣病に関する世論調査では、糖尿病などに比較して高血圧は深刻な病気というイメージが少ないことが指摘されています。

糖尿病は血糖が上がると喉が渇いたりするなどの自覚症状が現れて「あ、まずい」となるのですが、高血圧は自覚症状がでにくいので病気であることに気づかない人がたくさんいるんですね。

でも、そのまま放置しておくと、ある日あたかも青天の霹靂のように重篤な合併症、脳の血管が詰まって脳梗塞になったり、心筋梗塞や狭心症などの心不全、腎臓が機能障害に陥る腎不全になってしまう場合もあるのです。

ですから、実は、この自覚症状のないことこそが高血圧の最も怖いところなんです。

人を油断させておいていきなり奈落の底に落とし入れる、高血圧がサイレントキラーと称される所以がここにあります。

また、高血圧と切っても切り離すことができない、動脈硬化も自覚症状のないまま沈黙を守ってどんどん進行していきます。

心筋症の一つ狭心症は、血管の通り道が正常な状態の4分の1程度まで狭まらないと発症しないといわれています。

75%も血管が縮んでしまうんですからとてもたいへんなことですよね。

ですから、高血圧によって合併症などの症状が現れるころには、全身の血管も動脈硬化が進んでかなりダメージを受けていることが推測できます。

このように自覚症状のない高血圧の歯牙から逃れるには、つまるところ早期発見しかありません。

特に、中年も過ぎ健康診断などで高血圧を指摘されたら、市販の血圧計を買ってきて朝夕毎日血圧を測りましょう。

自覚症状がないのですから自分で血圧を記録してチェックするより方法がないのです。

また、1年に一度、血管壁の厚さを調べる頸動脈超音波検査や尿中のタンパク質の一種であるアルブミンの量を調べる微量アルブミン尿検査などを受ければ貴方の高血圧対策は万全といえるでしょう。