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高血圧とジョギング

健康を維持していくために、誰でも気軽にできる運動としてジョギングがあります。

このジョギングは身体についた脂肪を燃焼させ、生活習慣病対策にも効果があるものとして一時はかなり注目されました。

でもこのジョギング、お年を召された高血圧の方には少し問題があるようです。

ジョギングは、最初の間はマイペースで走っているつもりでも、慣れてくると徐々にスピードが上がってきます。

確かに毎日繰り返していると、筋肉がついてくるので体力がついているのは間違いないと思います。

でも、見落としてならないのは、体力がついてたといっても、それは足腰に多少の筋肉がついて、ほんの少し肺機能などが改善されただけだということです。

そして、長い年月をかけて体内に蓄積された脂肪はそう簡単にドカンとは減ってくれませんし、血圧にしても、年をとれば動脈硬化が進んでいて、一度硬くなった血管の再生は困難ですから急激に下がるはずもありません。

ですから、「これくらい早く走れるようになったのだから、もっとスピードを上げても大丈夫なはずだ」と勘違いすると、とんでもないことになります。

高血圧症者のジョギング時注意点

また、若いときであれば、新陳代謝も活発なので、新しい運動を取り入れても適応できるでしょうが、年がかさむと、生活のリズムや環境を急に変えることに対して適応力がグンと落ちています。

私たちの身体は、長い歳月の中で、生活や仕事など周囲を取り巻く環境と折り合いをつけながら、はぐくまれてきたものであり、高血圧にしても、一過性の病や事故による傷害などとは違って長い時間をかけて、すこしずつ身体になじんできた、言葉は悪いですが腐れ縁です。

腐れ縁は情が移ってなかなか断ち切れないように、肉体の改造も高血圧の解消もなかなか思った通りには行かないものです。

十分な体力がついたと勘違いして、マイペースを崩したハードなジョギングを続けると、血圧の急激な上昇を招いて心筋梗塞を引き起こした例もたくさん報告されています。

また、無理をすると腰やひざにも悪影響を与え、しばらく休んでいるうちに最初の気概も失せてしまいがちです。

ジョギングよりも散歩の方をおすすめしたいのですが、ジョギングをなさりたい方は、どうぞマイペースを忘れないでください。

貴方をスイスイ追い越していく人がいても熱くなってはいけません。

一番心がけなければならないのは、高血圧や心肺機能が今より悪くならないように、いかにして現状を維持し、徐々に改善していくことなのですから。

無理をせず、自分のペースでジョギングを楽しみましょう。