高血圧に頭痛がともなう場合には一層の配慮が必要です。特に血圧拡張期に120mmHg以上の高血圧になる方が頭痛を併発する場合には、生命の危険を伴うケースも予想されますので注意が必要です。

高血圧と頭痛の関係

その方が高血圧であるか、若しくはそうではないかのいかんを問わず、血圧が急に上昇すれば、ほとんどの方人は頭痛の症状を伴うことが多いようです。

これは、血圧の急激な上昇によって、脳内血管が押し広げられて刺激を受けるために引き起こされる症状だと言われています。

また、朝目覚めてからあまり時間が経過しないうちに頭痛を訴える人も多いようですが、これも脳の血管が急激に押し広げられるために起こる症状とされており、睡眠中に脳内に蓄積された炭酸ガスを排出しようとする自律神経の働きが原因といわれています。

また、上の血圧も下の血圧もかなり高い(最高血圧は175mmHg、最低血圧は100mmHg程度)高血圧の方の約3割強が起床時に頭痛を訴えているという医療報告もありますが、このうちほとんどの方は病院で高圧治療を施されると頭痛の症状が緩和するようです。

医師が食事療法などで効果が期待できないと判断した場合には、高血圧患者の了解を得て、降下剤を使った高血圧治療が施されることになりますが、ほとんどの方の場合はこの治療によって頭痛が緩和されることに加え、それまでの高かった血圧が嘘のように下がっていきます。

このように脳の太い血管が拡張することによる頭痛は、放置しておくと重篤な症状に発展する可能性も予想されますから、市販の薬などで生兵法などしないで、必ずお医者さんの力を借りて治すようにしましょう。

なお、低い方の血圧(=拡張期血圧)が120mmHgを超えた状態で頭痛の症状がともなう場合には命の危険も出てきますので十分な注意が必要です。

特に、もともと持病として重篤な腎不全を抱えておられる方や重度の妊娠中毒症が現れている方などが、ワインやバターなどの乳製品を摂った場合に、高血圧に加えて頭痛が現れるケースがあり、頭痛の他にも動悸や身体の一部に痙攣が生じる場合もあるようです。

このような場合、病状の程度は一刻を争いますから、即座に救急車を呼んで病院に搬送し、専門医による血圧降下治療を施さなければいけません。

また、頭痛などの諸症状のほかに、意識障害を伴う場合もあるので、救急車がくるまでは舌を噛んでしなわないような配慮も大切です。